金村修写真集

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金村修写真集「エクトプラズム プロファイリング」

2,750円(税込)|147×222㎜|96ページ|並製本
アートディレクション 加藤勝也
編集 村上仁一

2750JPY | 147×222㎜ | 96 pages | softcover
Art Direction Katsuya Kato
Edit Masakazu Murakami



概要/about

これまで一貫して銀塩フィルムにこだわり、20年以上に渡って都市の街区をモノクロームで撮影し続けてきた写真家・金村修。
90年代から精力的に発表してきた作品は、国内外で高い評価を得てきた。酢酸の匂いを放ち、露出不足、白飛び、現像ムラ、水洗不足、画面上の傷、ホコリ、ベコベコにうねったロールプリントを構いもせず壁中にピンナップしたニコンサロンでの展示は、同時代的な問題意識に対する高い批評性を評価され、2014年の伊奈信男賞を受賞した。
その金村修が、2013年、初のデジタルカメラ、リコーGRを手にした。「デジタルは、撮り続けていないと不安になってくる」とまで語る金村は、フィルムと並行して、本格的にデジタルでの撮影を開始。強迫神経症にかかった患者が何度も同じ行為を繰り返すように、金村は世界に対して取り憑かれたようにカメラを繰り出していく。
「コンデジや携帯カメラ、iPhoneにスマホで大量に写真が撮られているこの時代に、写真の希望なんてどこにあるのだろうか」
写真とも映像とも呼びがたい、明滅し、流れるような都市の断片に、もはやスクラップ&ビルドの反覆も、完成を拒むエラーのカタルシスもない。銀塩だけでなく、デジタルの極北にまで挑戦しようという金村の試みは、新たな写真の希望を照射するのだろうか。1年間で撮影された数万カットの中から158カットを選び、10000字のテキストとともに収録された、金村修の初デジタルカラー写真集がついに刊行!

プロフィール

金村修
1964
東京に生まれる。
1993
東京綜合写真専門学校研究科卒業
1997
日本写真協会 新人賞受賞


第13回東川町国際写真フェスティバル 新人作家賞受賞
2000
第19回土門拳賞受賞

主な個展
2014
「Ansel Adams stardust (You are not alone) 」 銀座ニコンサロン(東京)/大阪ニコンサロン(大阪)
「栄養分析表」 The White(東京)
2013
「金村修展 ──ヒンデンブルク・オーメン」 photographers' gallery/KULA PHOTO GALLERY(東京)
2012
「金村修展 ──Howling Smack Wolf」 photographers' gallery/KULA PHOTO GALLERY(東京)
「HUMAN NOISE AMPLIFIER」BLDギャラリー(東京)
2011
「Kawasaki Brötzmann 2002-2007」横浜市民ギャラリーあざみ野(神奈川)
「金村修展 ──Alice In Butcher Land」 photographers' gallery/KULA PHOTO GALLERY(東京)
「White Rabbit Opium Dream」ブロイラー・スペース(東京)
「コリアンルート」Place M + Mini Gallery(東京)
「アンクル・チアノーゼ・ミート」GALLERY mestalla(東京)
2010
「Butterfly Sandwich」Ogu Mag(東京)
「Sunny Side of Suicide」ブロイラー・スペース(東京)
2009
「China White」ツァイト・フォト・サロン(東京)
2008
「Spider’s Strategy」GunGallery (スウエーデン、ストックホルム)
2007
「Dante Lobster」Void +(東京)
「My Name is Shockhammer」Port Gallery T(大阪)
「Spider’s Strategy」Cohen Amador Gallery(ニューヨーク)
2005
「Chinese Rocks」ツァイト・フォト・サロン(東京)
2004
「13th Floor Elevator over the Hill」中京大学アートギャラリー C・スクエア(名古屋)
2003
「Suzy Cream Oil Cheese」ホワイトキューブKYOTO(京都)
2002
「Stravinsky Overdrive」Hippolyte Photographic Gallery(フィンランド、ヘルシンキ)
2000
「土門拳賞受賞記念展 Black Parachute Ears 1999」銀座ニコンサロン(東京)
1999
「Colored Air Blood Black 1999」ビューイングルーム ヨツヤ(東京)
「Black Parachute Ears 1991-1999」川崎市市民ミュージアム(川崎)
「Someday O.K. Prince will Come」ギャラリーQ & Q-S(東京)
1998
「All The Needles on are Red」ビューイングルーム ヨツヤ(東京)
1996
「Keihin Machine Soul」Works H.(横浜)
1995
「Tokyo Swing」Yoshii Gallery(ニューヨーク)
「Today's Japan」コニカ・プラザ(東京)
1994
「Crashlanding in Tokyo's Dream」 スピリット・スクエア・センター(ノースカロライナ州シャルロット)
1993
「Crashlanding in Tokyo's Dream」銀座ニコンサロン(東京)

主なグループ展
2013
「コレクションを中心とした小企画:都市の無意識」東京国立近代美術館(東京)
「第4回 土門拳と土門拳賞受賞作品展」土門拳記念館(山形)
「場の磁力展」Gallery Q(東京)
2012
「Repeat After Me vol.1」The Gallery(東京)
2011
「JAPAN TODAY」AMADOR GALLERY(ニューヨーク州)
2009
「Photography Now: China, Japan, Korea」サンフランシスコ近代美術館(カリフォルニア州)
「アート・イン釜山2009――InterCity」釜山市美術館(韓国、釜山)
2008
「Japanische Fotografie: Takashi Yasumura und Osamu Kanemura」 Abbt Projects (スイス、チューリッヒ)
2007
「水の情景――モネ、大観から現代まで」横浜美術館
2006
「第10回国際建築展――Cities, Architecture and Society」 (ヴェニス建築ビエンナーレ2006、イタリア)
「C on Cities」イタリア館(ヴェニス建築ビエンナーレ2006、イタリア)
2005
「モダン・パラダイス 大原美術館+東京国立近代美術館――東西名画の饗宴」 東京国立近代美術館
「大阪考現学」大阪造形センター(大阪)
2004
「アルル国際写真祭」(フランス、アルル)
2003
「流動する美術VIII 都市風景のメカニズム――伊奈英次・金村修の写真」福岡市美術館
「日本写真史展」ヒューストン美術館(テキサス州)
「土門拳と土門拳賞作家展」群馬県立近代美術館
「Experience: The Media Rat Race」オランダ写真美術館(ロッテルダム)
2002
「伝統と現代――日本の陶芸と写真」Deichtorhallen(ドイツ、ハンブルク)
2001
「Surface: 日本の現代写真・ヴィデオ・絵画」オランダ写真研究所(ロッテルダム)
「Future Perfect」ルイジ・ペッチ現代美術センター(イタリア、プラトー)
「スタンダード 香川県直島(直島コンテンポラリーアートミュージアム開館10周年記念展)
「生きろ/Be Alive 日本の現代美術――1980年から現在まで」 クレラ・ミューラー美術館(オランダ)
2000
「金村修」パートオブジェクト・ギャラリー(ノースカロライナ州カルボロー)
1998
「Prix Whanki: Seoul-Berlin-Tokyo」ハンギ美術館(ソウル)
 「写真の現在――距離の不在」東京国立近代美術館フィルムセンター
1997
「現代の写真 失われた風景――幻想と現実の境界」横浜美術館
1996
「New Photography 12」ニューヨーク近代美術館
1995
「第3回エスリンゲン国際写真トリエンナーレ Dicht am Laben」 (ドイツ、エスリンゲン)
1994
「Japan Today」ルイジアナ近代美術館(デンマーク、フムレベック)
「日本の前衛」スピリット・スクエアー・センター(ノースカロライナ州シャルロット)
1992
「第3回ロッテルダム写真ビエンナーレ Waste Land from Now on」 (オランダ、ロッテルダム)

出版物
2014
『Elvis the Positive Thinking Pelvis』オシリス(DVD)
2012
『Suzy Cream Oil Chease』スーパーラボ
2010
『Stravinsky Overdrive』スーパーラボ
2009
『漸進快楽写真家』同友館(エッセイ)
2008
『German Suplex』オシリス
2007
『My Name is Shockhammer』オシリス
2005
『In-between 12 金村修 ドイツ、フィンランド』EU・ジャパンフェスト日本委員会
2001
『I Can Tell』芳賀書店
『Spider’s Strategy』オシリス
2000
『Happiness is a Red before Exploding』ワイズ出版
1999
『Osamu Kanemura』ユミコ・チバ・アソシエイツ
1995
『Mole Unit No.4 Crash landing』モール

コレクション
横浜美術館/ニューヨーク近代美術館/東京都写真美術館/東川町文化ギャラリー
東京国立近代美術館/土門拳記念館/ベネッセコーポレーション/ヒューストン美術館
福岡市美術館/サンフランシスコ近代美術館/シカゴ美術館